健康的な年末年始を過ごす
一年の締めくくりから新年にかけては、忘年会や新年会、親戚の集まりや同窓会など、宴会やパーティーの機会が増える時期ですよね。
ついお酒を飲みすぎてしまったり、食べ過ぎてしまったり、暴飲暴食をして病院に駆け込む人も少なくないそうです。
健康的な年末年始を過ごすために、気を付けたいことや、年末年始に多い病気とその対策も知っておきましょう。
【年末年始に気を付けるべき病気】
年末年始にかかる病気で一番多いのはやはり「風邪・インフルエンザ」です。
■風邪・インフルエンザ■
予防にはまず「ウィルスをできるだけ体の中に入れない」ことと、「免疫力を維持すること」です。
人間の体にはウイルスに抵抗する免疫力が備わっていますが、睡眠不足、栄養不足、飲みすぎ食べすぎなど暴飲暴食によって免疫力が弱まることがあります。免疫力が弱まると病気になりやすく、重症化のリスクも上がります。
予防① バランスのよい食事
古典的ですが、バランスのよい食事は免疫力を維持し、風邪をひきにくい体にしてくれます。
また食材にも、風邪をひきにくくしてくれるといわれている食材があります。積極的にとるようにしましょう。
納豆:良質なたんぱく質を含み体力の維持や回復に役立つ。また、血行を促進する働きのあるビタミンEなどのビタミン類も豊富に含まれている。
にら:免疫力を高めるβ-カロテンだけでなく、風邪の原因菌を殺菌するアリシンという成分が含まれている。
かぼちゃ:かぼちゃには免疫力を高めるβ-カロテンやビタミンCが非常に豊富。
ネギ:ネギに含まれる硫化アリルには風邪を予防する働きがあり、ネギオールという成分には殺菌作用がある。
その他にもビタミンCが多く含まれる食材もおすすめです。
予防② ウィルスを体の中に入れない
ウィルスが体の中にたくさん入れば、当然のこと風邪をひく可能性があがります。ウイルスを体に入れないためには次の4つを徹底しましょう。
1:マスクをする
不特定多数の人が多く集まる場所ではマスクをするようにしましょう。
2:うがいをする
外出から帰った際には、必ずうがいをするようにしましょう。
3:手洗い
帰宅後のほかにも、食事前、咳やくしゃみをした後にも手洗いするようにしましょう。
4:乾燥
ウィルスは低温と乾燥した空気を好みます。お部屋では加湿器をつけたりできるだけ乾燥しないよう心掛けましょう。就寝時にマスクをすることも喉を乾燥させないので有効です。
予防③ 温かくして寝る
体の中には免疫力の源になっている「免疫細胞」があります。この「免疫細胞」は体温が高ければ活性が上がります。日頃から体が冷えている人は風邪をひきやすいです。
温かくしてしっかり寝ることで免疫力を維持することができます。
■ノロウィルス■
「風邪・インフルエンザ」の次に多いのは「ノロウィルス」です。ノロウイルスは、乳幼児から高齢者までの幅広い年齢層で急性胃腸炎を引き起こす、ウイルス性の感染症です。
症状は体内にウィルスが入ってから、24~48時間に激しい嘔吐や下痢、複数が発生します。ときに発熱や頭痛、筋肉痛を伴います。症状は1~3日ほど続きますが、持病などがある場合を除いては自然に回復し、後遺症などもありません。
予防① 手洗いを徹底する
ノロウィルスを持ち込まないために、外出から帰ったら手洗い、その他にも食事の前やトイレの後、調理前後、配膳の前には石鹸を使用し丁寧に洗い、しっかりすすぎましょう。
予防② 食材はしっかりと加熱する
食品に付着したノロウイルスを死滅させるためには、中心温度85℃~90℃、90秒以上の加熱が必要です。特に貝類の内臓を含んだ生食はこの時期は避ける方が無難です。
予防③ 調理器具を消毒する
調理する前にまな板や包丁は、熱湯(85℃以上)で60秒以上もしくは、0.02%に希釈した次亜塩素酸ナトリウムで消毒しましょう。
生ものと、それ以外の食材で調理器具を使い分けるなどの工夫も感染予防につながります。
使用後にも調理前と同様にすぐに洗うようにしましょう。
予防④ 人からの二次感染に注意する
ご家族などに感染した人がいる場合、嘔吐物や排泄物にはウィルスが付着しており、処理する際に二次感染する恐れがあります。
処理する際は使い捨てのマスクや手袋を着用するようにしましょう。嘔吐物などが付着していた場所は消毒液を使用して拭取ります。処理した嘔吐物や処理に使用した手袋などはビニール袋に密閉して廃棄しましょう。
処理が終わったら丁寧に手を洗ってください。
その他にも、年末年始には誤嚥(喉が詰まる)にも注意が必要です。
お正月はお餅を食べる機会が増えます。特に注意してほしいのはお餅を喉に詰まらせる危険性です。
特に高齢者や小さな子供は飲み込む力が弱いため、餅がのどに詰まって呼吸困難に陥るおそれがあります。
お餅は食べやすいように小さく切ったり、お餅を食べる前には飲み物や汁物を口にして、口の中を湿らせておくようにしましょう。
また不眠・入眠障害も年末年始がきっかけで起きてしまうことがあります。
原因は「年末年始の夜更かし」です。
気持ちは分かりますが夜更かしは適度にして、早めに布団に入って寝てください。そして、夜更かししてしまっても「昼の12時まで寝ている」といったことは避けてください。
眠い場合でも、9時までには起きて、昼などに30分程度の仮眠をとって調整しましょう。
何事も対策をして、予防ができれば一番いいことですが、そうはいっても思いがけず病気にかかってしまうこともあります。
そんな場合は、無理をせず医療機関を受診しましょう。
年末年始は医療機関も休診していることが多いため、いざというときのために受診可能な病院を調べておくと安心です。
楽しいことが多い年末年始ですが、なるだけ病気の予防を意識して健康的に過ごしましょう。
そして新年を健康でHAPPYな状態でスタートさせてくださいね。